日本人の2人に1人は睡眠に何らかの問題を抱えているとされる中、こどもみらいの提供する睡眠改善プログラム「eSLEEP」における、「その人が睡眠にどのような問題を抱えていて、その原因がどこにあり、何をすれば睡眠を改善できるのか」を提示する仕組みについて、WEB API ver.2の供用を開始いたしました。
「良い眠り」は単純な要素で定義できるものではありません。現状の睡眠に問題があるのかどうかを、適切に評価することはとても重要です。そして、不眠や中途覚醒、日中過眠、睡眠休養感の欠如といった「睡眠の問題」を改善するためには、第一に「現状の評価」と「原因の把握」、そして「睡眠衛生」の改善を行うことが必要です。
睡眠の問題を生じる原因としては、睡眠スケジュールや睡眠衛生の問題に加えて、100種類以上もの睡眠障害や睡眠に影響しうる心身の疾患等が存在し、日常でよく遭遇する頻度の高いものだけに絞っても、少なくとも数十個以上の要素があります。
このため、睡眠カウンセリングや医療機関における睡眠の診察で、すべての人に包括的・網羅的な問診を対面で行うことは、現実的にはかなりの困難があります。
さらに、複数の問題が同時に検出された場合に「どこから手をつけるべきか、どの優先度で改善・対処を促すべきか」をその場で鑑別することも困難です。しかし、優先順位付けを行わないと、総花的で改善効果の乏しい対応に終始してしまうリスクがあります。
そこで、eSLEEPでは以下の流れで睡眠の評価と問題の同定を行い、それに基づいて問題を改善するためのコメントを返す仕組みを構築しており、これにより個々人に合わせた最適な睡眠衛生指導と、睡眠障害の疑いの検出を可能にしています。本WEB APIは、この一連の処理をさまざまな方法・ソフトウェアで外部から提供するためのソリューションです。
1) 基本的な睡眠の状況について本人や周囲の人等が、PC/スマホ等からアプリ等の問診票に入力する
2) APIはその回答に応じて、睡眠に問題がある場合、その原因を探るための追加質問を生成する。このとき、包括的な問診をすると膨大な設問数になってしまうため、基礎的な項目以外の設問はAPIが自動で追加生成する
3) 追加質問にも回答した結果、睡眠の問題として考えられる要因を本人および指導者(医師・メンター等)へレポートする。この時、対処によって睡眠が改善する度合いが高いと思われるものから重み付けをして優先的に提示をする。また、睡眠障害の可能性が考えられるものについてもアラートを行う
この、個々人に合わせた最適な睡眠衛生指導と、睡眠障害の疑いの検出を可能にするシステムおよびAPIは、以下の用途に利用され、成果を挙げています。
■学術研究: 本システムを利用した睡眠衛生指導RCT(ランダム化比較試験)にて、睡眠の改善とそれに伴う副次的アウトカムの改善を確認
■利用実績: 主に睡眠の問題を把握して改善するシステムとして利用されています
本APIや睡眠改善システムは、(株)こどもみらいおよびその開発者の保有する以下の知的財産を利用しています。
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