Monthly Archive 3月 2018

キズキ共育塾にて睡眠改善プログラム指導者研修を実施しました

3月29日、不登校・中退・引きこもりなど困難な状況を経験しながらも「受験を通じて人生をやり直したい」と考えている方々を対象にした学習指導や、基礎学力支援・メンタルケアの側面からの中退予防事業を実施しているキズキ共育塾にて、睡眠の基礎知識や最新の医学知識を学ぶ講演と共に、eSLEEP academicを活用した睡眠改善プログラムについてのレクチャーを実施しました。
本とりくみが、実際の生徒の方々の助けとなることを願っております。

<参加された教職員の方の声>

  • 睡眠に関する正確な知識を得ることができました。さらに、日ごろの生活において注意すべきポイントが明確になり、非常に実践的であると感じました。
  • 睡眠の専門家ではない我々が、生徒指導で誤った情報を伝えることのないようにすべきであると考えています。特に今回の研修はキズキの生徒に有効なアドバイスとなる内容でした。
  • このような有意義な講義及び講座を少数の者が独占するのはもったいない
  • 眠りや体内リズムのせいで生活に支障が出ている生徒さんに、説得力のある説明ができる(ただ昼夜逆転は良くないよ、というだけでは生徒さんに届かなそう)

<満足度>

この講義および実践講座を受けることを、他の教職員にも薦めたいですか?

はい: 100%

「睡眠のゴールデンタイム」なんてものはない?!

「夜22時~2時までは、お肌のゴールデンタイム」なぜなら、成長ホルモンが沢山出る、この時間帯に眠ると、お肌がつやつやになって若返る(*´ω`*)「成長ホルモン」は「美肌ホルモン」だから、この時間帯を死守しなければ!!

この都市伝説を、まだ信じている人はいますか?

睡眠のコールデンタイムは22時~2時で、このコールデンタイムに眠らないと成長ホルモンが出ないという言説がありますが、これは誤りです。

睡眠と成長ホルモンの分泌との関係を調べた研究報告が1991年にあります。この研究では、被験者を最初に22時頃から7時頃まで眠らせた時、22時から2時位の間で多量に成長ホルモンが分泌されています。これがおそらく「22時~2時はゴールデンタイム」の根拠となっているものと思われますが、この下図の続きを見てください。


翌日の22時~2時に徹夜をさせた結果、成長ホルモンは出なくなっていますが、徹夜明けで 昼間に眠った時、昼の11時~14時位にも多量に成長ホルモンが出ているのが分かります。

つまり、成長ホルモンは「睡眠の最初の熟睡時」に大量に分泌されます。時間帯は関係ありません。もっとも、 変な時間に寝起きするとうまく熟睡できないことがあるため、「22時~2時ゴールデンタイム説」が完全に嘘というわけでもないのですが この時間を過剰に気にする必要はありません。
「ある程度の時間ちゃんと熟睡できていれば、別に22時に眠っていなくても、成長ホルモンは出る」ということです。

「成長ホルモン」は、睡眠中に集中的に分泌され、 全身の組織が修復されます。 子どもでは身体の成長も促されます。22時~2時でなくとも、しっかり睡眠時間を確保して熟睡をすることがお肌にとっても大切です。

いっぽう、皮膚の老化については、主に紫外線の影響が大きいとされています。トラックドライバーの窓側の頬と反対側の頬の皮膚の老化速度、プロゴルファーのグローブをしている側の手背としていない側の手背の皮膚の老化速度を比較した研究があり、窓側の頬の皮膚、グローブをしていない側の手背の皮膚の方が、老化速度が速いという結果が出ています。熟睡対策と同時に紫外線対策もおこたりなく!

(参考文献)

出典: Am J Physlol Regul lntergr Comp Ptiysiol. 279: R874-883, 2000.