Monthly Archive 10月 2018

eSLEEP academicの研究が学会賞を受賞 – 起床時刻の問題が学生の欠席を招く

2018年10月20日・21日に開催された第25回日本時間生物学会学術大会にて、株式会社こどもみらいR&D統括の志村哲祥医師・医学博士の研究発表「睡眠の問題、クロノタイプ、Social Jet Lagよりも平日の起床時刻が高校生の出席不良と強く関連する」が受賞をしました。
思春期はクロノタイプ(体内時計やその表現系としての睡眠覚醒スケジュール)が生涯の中で最も夜型化する時期であり、生理的に「早寝早起き」が難しくなります。近年、世界各国で、思春期に早起きを強いることの公衆衛生上の問題が示されており、学校の始業時刻が早すぎるのではないかと問題提起されています。しかし、どのような睡眠やリズムの問題がどの程度学校の出席と関連するのかについては不明でした。
そこで、本研究では高校生を対象に、睡眠の諸問題と出席に関する調査を実施し、平日の起床時刻が、睡眠の問題とは独立して欠席率と関連することが明らかになりました。
また、調査参加者の平均睡眠時刻は6時間16分であり、大半の高校生が、自殺リスクが2.9倍に上昇するとされる8時間未満の睡眠時間を余儀なくされていることが明らかになりました。
「早起き」と欠席・遅刻・早退の少なさは関連しているものの、これ以上の早起きを促すことは睡眠時間の短縮を招き、高校生の心身の健康に有害であると考えられます。
そのため、早く起床せずとも十分な睡眠時間が取れて、無理なく登校できる始業時刻の設定を行うことが合理的である可能性が示唆されました。

退職を就職前に予防する ~離職リスクを生活習慣と睡眠で算出する技術、特許査定取得のお知らせ~

株式会社こどもみらいは、「離職リスク・生産性低下リスクを生活習慣と睡眠で推測するシステムおよびその質問票」について特許査定を受けたことをお知らせします。
(発明の名称: 人事管理支援システム / 起案日: 平成30年10月1日 / 特許出願の番号: 特願2018-120658)

離職リスクを生活習慣と睡眠で推測する技術

生活習慣・睡眠習慣は、ストレス反応の増加や心身の不調、生産性低下をきたすのみならず、その後の不適応を誘発し、離職確率を引き上げてしまいます。
今回、特許査定を取得した「離職リスク・生産性低下リスクを生活習慣と睡眠で算出する技術」(以下、「本技術」といいます)は、コホート調査によって、生活習慣と睡眠から、具体的な離職リスク(他の人と比べた時に問題がある人は何倍辞めやすくなってしまい、かつ、具体的に何%くらいになるか)を導出することを可能としました。
かつ、その確率は、職務を開始する前、つまり仕事が決まる前から算出することが可能です。

※コホート調査:ある特性を持った集団について長期間について観察し、その特性と何らかの疾患・イベントとの関連性を明らかにする研究方法

適性検査および離職予防ツールとしての優位性

従来の適性検査は、「性格傾向の判定」や「スキルマッチ」に重きが置かれていましたが、これらは離職や生産性低下をあまり鋭敏に推定できないという現状と、そして何より「判定ができるだけであり、問題自体の予防はできない」という問題がありました。
当社の調査によって、職場不適応や欠勤・休職・離職、そして生産性低下・プレゼンティズムに与える影響は、職場のストレス状況や本人の性格傾向・スキルマッチより、食生活・運動などの「生活習慣」、睡眠の時間・質・リズムなどの「睡眠習慣」の方が大きいことが明らかになりました。(当社による研究論文の例: 「睡眠はストレスチェックの結果に大きな影響を与える」(「精神医学」60巻7号(2018年7月)) )

重要なのは、性格などとは異なり、生活習慣・睡眠習慣は個々人での対処と変容が可能であるということです。
本技術は、離職や不適応に至りやすい者を高精度で発見できるのみならず、そのような者を発見した時に、先回りして離職の予防ができるというアドバンテージを持っています。

本技術を用いて作成した質問票

当社では、本技術を用いて、「早期離職リスク」「生産性低下リスク」を導出するまったく新しい適性検査の質問紙(以下、「本適性検査」といいます)を開発いたしました。
この質問紙は最大50項目から成りますが、適宜短縮して利用することが可能で、10分ほどで回答が可能です。

本質問紙は現在クローズドでOEM提供を行っており、今般、外資系人材会社と離職予防効果のランダム化比較試験を実施しております。

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