Monthly Archive 12月 2018

睡眠改善プログラム「eSLEEP」による生産性向上効果を医学的に実証 〜株式会社こどもみらいと株式会社再春館製薬所による共同研究〜

睡眠改善プログラム「eSLEEP」による生産性向上効果を医学的に実証

〜株式会社こどもみらいと株式会社再春館製薬所による共同研究〜

こどもみらいeSLEEP projectでは、株式会社再春館製薬所(本社:熊本県上益城郡益城町 以下、再春館製薬所)と共同研究として睡眠改善プログラム「eSLEEP」の導入効果を測定するプロジェクトを行いました。その結果として、お客様満足度の向上、一人あたり付加価値の向上、事務処理速度の向上、など複数の効果が生じたことを医学的に明らかにしました。

<共同研究の背景と目的>

「eSLEEP」は、こどもみらいが2012年から睡眠研究医主導のもと、医師・心理士・保健師を中心として提供している睡眠改善プログラムです。組織単位で睡眠と生活習慣の問題を医学的に評価・分析し、睡眠コンサルティングと個別指導による改善を通して、メンタルヘルス疾患・身体疾患の予防および生産性の向上を図ります。2015年には教育現場における出席率の向上や退学予防効果も明らかにしました。

再春館製薬所は「人」と「人」とのつながりを大切にし、通信販売を通じてお客様お一人おひとりと直接のコミュニケーションをとっています。社員にとって働きやすい環境を整えることがお客様への接客向上にもつながるという考えのもと、コールセンターの働き方改革に率先して取り組んできました。そして近年は仕事・職場のみならず社員の生活日常からの健康にも注力しています。

本プロジェクトはその一環として、コールセンターで働く社員を対象に、「eSLEEP」導入による睡眠・生活習慣の改善が各種の生産性指標に与える影響を測定しました。

<共同研究の概要>

研究デザイン: ランダム化比較試験(RCT:Randomized Controlled Trial)

マッチング項目: 介入前の労務指標(生産性や在籍日数など)と睡眠指標(PSQIなど)

期間:      事前調査 2017年7月~12月        本調査・分析 2018年2月~3月

個別指導 2018年3月                   効果測定 2018年4月~11月

対象者: コールセンターで働く社員(在籍1年以上)のうち、本調査に協力して問診票に回答し、睡眠に課題のあった68名

(基準: ピッツバーグ睡眠問診票(PSQI)で6点以上の者すべて)

介入群: 30名 (組織分析結果に基づく睡眠と生活習慣の個別指導を実施 計約60分/名)

対照群: 38名 (Sham Control)

<結果の例>

有意な差が生じたのは下記の項目です。

(いずれも1人あたりの指標・対照群比:一部抜粋)

お客様満足度の向上:       頂いた感謝のお言葉の数の指標 10.4%向上*

平均ミス・クレーム数 0.9件/月の改善(-43.8%)*

事務処理速度の向上:          17.5秒/件の改善(-12.2%)*

適切な提案による一人当たり売上の向上についても有意な効果を確認*

(対応のあるT検定; *:p<0.05)

睡眠の改善によって、時間あたりの生産性や利益が高まり、さらにはお客様満足度向上へもつながることが明らかとなりました。

<医学的背景と本共同研究の意義>

複数の既存研究が、睡眠と生産性、ミス・事故、対人能力、認知機能等との関連を明らかにしています。一方で、実際に睡眠を改善させてこれらを向上させたRCTの研究はほとんどなく、認知行動療法と呼ばれる手法を用いた研究は過去に報告がありますが、具体的な数値までは明らかではありませんでした。本共同調査は世界でもはじめての試みであり、eSLEEPはプロフェッショナルチームとして、今後この成果の学術発表等を行っていく予定です。

<こどもみらいについて>

株式会社こどもみらい( https://cfltd.co.jp/ )は、科学的根拠に基づいた健康経営を推進するプロフェッショナルチームです。睡眠と健康に関する研究「Sleep & Health Research」、睡眠改善プログラム「eSLEEP」、多面的なストレス対策の要となるストレスチェック「STRESCOPE」などを提供しています。

<再春館製薬所について>

再春館製薬所は、基礎化粧品ドモホルンリンクルを中心とした化粧品・医薬品・医薬部外品の製造販売をしている製薬会社です。製造工場、本社・コールセンターまでがすべて同敷地内にあり、熊本から全国、そして東アジアを中心に世界へ自社商品を届けています。安心安全なものづくりと、一人ひとりのお客様に寄り添うことで、加齢による悩みに応えいきいきと年齢を重ねることを応援しています。

<本プレスリリースに関する問い合わせ先>

株式会社こどもみらい eSLEEP project

メール    pr201812@esleep.jp


(PDFファイルはこちらから)

「始業時刻適正化プロジェクト」支援と2019/01/06講演会のおしらせ

東京大学瀧本ゼミが中心となって進んでいる「始業時刻適正化プロジェクト」は、思春期の生徒の体内時計を無視して設定され、生徒の心身の健康や学業成績に多大な悪影響を与えている、現在の「早すぎる起床時刻」の是正と、日本での研究実施を推進するプロジェクトです。こどもみらいeSLEEP projectは「始業時刻適正化プロジェクト」を支援しています。

今般、2019年1月6日に、本分野の世界的第一人者である、Amy Wolfson教授をお招きしたシンポジウムが、慶應義塾大学にて開催されます。

ご興味ご関心ある方、特に教育と教育行政に携わる方のご参加をお待ち致しております。