Monthly Archive 5月 2018

日本産業衛生学会 優秀演題賞受賞

去る2018年5月16日のニュースリリースでお伝えしたSTRESCOPEとeSLEEPのデータの分析による「体内時計によって、個人がイキイキと働ける時間は異なる」ということを示した調査研究(リンク先:時事通信記事)が産業衛生学会で発表され、優秀演題賞を受賞しました。

2017年11月13日にもSTRESCOPE・eSLEEPのデータ分析「Social Jet Lag(社会的時差ボケ)とストレス反応」は時間生物学会の学会賞を頂いており、また、2018年4月にはeSLEEP academicの調査が英語論文として出版されています

STRESCOPEおよびeSLEEPの「睡眠・体内時計・生産性・職業性ストレス」に関する研究は日本と世界をリードしています。

さらに効果のあるストレスチェック・睡眠改善プログラムを開発するだけでなく、成果を社会全体へ還元できるよう、当社は引き続き努力してまいります。

体内時計によって、個人がイキイキと働ける時間は異なる…学会口演のお知らせ

人にはおよそ24時間周期の体内時計があります。寝起きだけでなく、心臓や内臓のリズム、血圧や体温、思考能力、身体能力も、24時間周期で活発になったり休んだりのサイクルが存在します。

今回、こどもみらいのSTRESCOPEの中から同意の得られた約3000名のデータを用いて、クロノタイプ(朝型夜型傾向)と勤務時間帯とパフォーマンスの関係を調査しました。

その結果、体内リズムと生産性に密接な関係があることが明らかになり、特に夜型の社員では、出勤時刻を早めれば早めるほど、生産性が低下します。

この調査研究により、それぞれの社員に応じて、「この従業員は本当は何時から働かせるのが良いのか」ということを科学的に導き出すことが可能になりました。

本結果は下記の学会で発表されます。

第91回日本産業衛生学会
発表日時 2018年5月17日(木) 10:40-11:40
発表場所 熊本市国際交流会館6Fホール(C会場)
演者 志村哲祥医師(東京医科大学精神医学分野 睡眠健康研究ユニットリーダー/STRESCOPE統括実施医)

図: 体内時計は睡眠の質と心身のコンディションを介して生産性に影響を与える

 

今後もこどもみらいでは「科学的根拠に基づく健康経営」を支援してまいります。

「睡眠と教育」 講演・ワークショップを実施しました

5月13日、eSLEEP統括医の志村哲祥医師による講演・ワークショップ「睡眠と教育」が行われました。科学的根拠に基づいた睡眠の基礎知識から、実際にどのようにして生徒の睡眠を改善させるかの実践方法までを学ぶ今回の取り組みへ、都内を中心30校以上から、50以上の教職員の方が参加する盛況の会となりました。

概要

生徒の欠席や不調、退学や成績不振の大きな原因として「睡眠の問題」があります。第一部では、最新の研究をもとにした睡眠の基礎知識、そして教育との関係についての講義行われました。第二部では、効果のある指導方法を学ぶため、心理士の指導のもと実践的なワークショップ実施されました

講演の様子

寄せられた感想(抜粋)

  •  睡眠に関して、科学的なデータや分かりやすい例を用いて教えていただけたので、自分だけでなく生徒に示しやすい情報を得ることができました。
  •  睡眠について、今まで疑問に思っていたことの答えをみつける、教えていただくことができました。
  •  具体的な例にそって実践勉強ができるのが良かった。
  •  睡眠不足の学生に様々なリスクがあることを知り、大変興味深かったです。
  •  始業遅延に関して欧米で進んでいることがわかりました。
  •  起立性調整障害と診断される生徒が多い中、実は睡眠障害の生徒であるのではということが学べて本当に良かったです。

終了後アンケートで「この講義及び実践講座を受けることを、他の教職員にも勧めたいですか?」という質問について、100%の方が「はい」と解答ました。

「はい」と回答した理由(抜粋)

  • 思春期の睡眠の実態と世界の状況を今まで理解できておらず、今日の講義で初めて学ぶことが多くありました。始業時刻を遅くすることで日本でも効果がでるのか興味深いと感じたためです。
  • 学校の現状として睡眠トラブルが原因となっている問題が確実にあるため。
  • 睡眠がこれほど生徒の心身の不調に深く関わっていることを実感してほしい。
  • 根拠もなく指導している。
  • 睡眠に関して間違った認識がおおいから。
  • 睡眠の重要性を多くの先生方に知って頂きたい。
  • 睡眠時間が今の生徒たちには圧倒的に足りてないことを理解するよい機会になると思ったので。