睡眠の問題は日本で7.5兆円の損失をもたらしている: 睡眠と生産性に関するこどもみらいの最新の研究が出版されました

睡眠の問題は日本で7.5兆円の損失をもたらしている: 睡眠と生産性に関するこどもみらいの最新の研究が出版されました

こどもみらい・東京医科大学・慶應義塾大学からなる研究チームは、「睡眠の問題の存在が生産性を統計的には少なくとも約3%押し下げる」こと、そして2人に1人は睡眠に問題を抱えるとする日本の現状からすると、これは日本全体において最低でも7.5兆円の経済損失をもたらしていることを明らかにし、この研究成果がアメリカ国立睡眠財団の”Sleep Health”にて発表されました。

他にも「寝不足」による生産性低下は若年者ほど深刻であり、本来約8時間の睡眠時間が平均的には必要とされる20代前後の労働者では、平日の睡眠時間がそれを下回るごとに生産性の低下(プレゼンティーイズム)が生まれること、さらには全年齢的に「休日の寝溜め」はむしろ生産性を損なってしまうことなどが明らかになりました。

本成果は「どのような睡眠が社会の活力につながるのか」を示唆すると共に、日本において初めて詳細に睡眠と生産性との関連を検討した研究です。

この研究成果はSleep Healthの2020年6月号に掲載されています。

Ishibashi, Y., & Shimura, A. (2020). Association between work productivity and sleep health: A cross-sectional study in Japan. Sleep Health.

「寝床のスマホ」は睡眠障害リスクを2倍に: 睡眠習慣に関するこどもみらいの最新の研究が出版されました

こどもみらい研究チーム・東京医科大学睡眠健康研究ユニット等からなる、睡眠に関連する生活習慣と、それから引き起こされる睡眠の問題との関係を明らかにした論文が、アメリカ国立睡眠財団の”Sleep Health”にて発表されました。

睡眠衛生と呼ばれる、睡眠と関連する生活習慣は様々なものが提唱されていますが、実は、「その中でも何が本当に重要なものであり、何を本当に伝え、指導すべきなのか」を明らかにした研究はほとんど存在しませんでした。

本研究は様々な睡眠関連要因を包括的に調査し、多変量解析によって各要因の重要性の濃淡を明らかにした、睡眠指導を行う際のマスターピースとなる成果です。

Shimura, A., Sugiura, K., Inoue, M., Misaki, S., Tanimoto, Y., Oshima, A., … & Inoue, T. (2020). Which sleep hygiene factors are important? comprehensive assessment of lifestyle habits and job environment on sleep among office workers. Sleep Health.

 

無料セミナー「リモートワーク時代のメンタルヘルス対策」を開催します

―人事・労務向け、最新の医学的根拠に基づく内容から―

株式会社こどもみらい(本社:東京都世田谷区)は、人事・労務・総務向けの無料ウェビナー「リモートワーク時代のメンタルヘルス対策」を開催します。

リモートワークの急速な導入によって労働環境や労働時間、働き方が多様化し、メンタルヘルス不調の増加が懸念されています。

最新の研究では、睡眠や食事、生活リズムといった日常の習慣が、仕事以上に強くメンタルヘルスに影響していることが分かっており、リモートワークにおいてはその度合いが一層増加すると予想されます。

このような状況下で適切なメンタルヘルス対策を行うためには、社員1人ひとりが実施できるリモート時代特有のセルフケア(生活と時間のマネジメント)が大変重要です。

 

本セミナーでは、具体的にどのような習慣がメンタルヘルスに影響するのかをメカニズムとともに分かりやすく解説し、メンタルヘルスの強化に繋がる、根拠ある人事施策について考えていきます。

お申込みはこちら

セミナー概要

  • 日時:
    • 2020年5月27日(水) 16:00~17:00
    • 2020年6月 1日(月) 13:30~14:30
    • 2020年6月 3日(水) 10:30~11:30
  • 参加方法:ウェブセミナー配信ツール「Zoom」を利用して配信いたします。
    参加方法の詳細は、お申込みいただいた方へ個別にご連絡させて頂きます。
  • 参加費:無料
  • 対象:人事・労務・総務部門のメンタルヘルスご責任者/ご担当者様、産業保健スタッフ様
  • 主催:株式会社こどもみらい
    ※競合社様のご視聴はご遠慮いただいております。ご了承ください。

お申込みはこちら

株式会社こどもみらいについて

株式会社こどもみらい( https://cfltd.co.jp/ )は、科学的根拠 に基づいた健康経営を推進するプロフェッショナルチームで す。睡眠と健康に関する研究「Sleep & Health Research」、睡眠 改善プログラム「eSLEEP」、多⾯的なストレス対策の要となる ストレスチェック「STRESCOPE」などを提供しています。 

 

STRESCOPE について

STRESCOPE( https://strescope.jp )は、株式会社こどもみらいが提供する、医学的根拠に基づいた具体的な提案によりストレス改善を目指すためのストレスチェックサービスです。厚労省所定の項目に独自の項目を加えてストレス要因を特定し、個人向けに生活習慣の観点も含めた具体的な改善提案を行うほか、集団分析により企業が取り組むべき事項を明らかにするなど、健康経営のための投資対効果にこだわり、精神科医・産業保健師を含むプロフェッショナルチームにより運営されています。

 

eSLEEPについて

eSLEEP( https://esleep.jp/ )は、株式会社こどもみらいが2012年から睡眠研究医主導のもと、医師・心理士・保健師を中心として提供している睡眠改善プログラムです。組織単位で睡眠と生活習慣の問題を医学的に評価・分析し、睡眠コンサルティングと個別指導による改善を通して、メンタルヘルス疾患・身体疾患の予防および生産性の向上を図ります。2015年には教育現場における出席率の向上や退学予防効果も明らかにしました。

 

本件に関するお問合せ先

株式会社こどもみらい info@strescope.jp

コロナ自粛 よりよい睡眠をとるには

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、外出が自粛され、在宅ワークがメイン。また、小中高は休校措置、大学はオンライン授業。毎日の生活が大きく変化した人が多いのではないでしょうか? 家で過ごすことが多くなり、「よく眠れなくなった」という声を多く聞きます。実際、ロックダウン(都市封鎖)を実施したアメリカやイギリスなどにおいては不眠が問題となっているようです。外出自粛が余儀なくされるなか、よい睡眠を確保するにはどうすればよいのでしょうか?

 

朝に光を浴びよう

「平日も家で過ごすことが多くなり、生活リズムが乱れてしまっている」

外出が自粛される中、このような方も多いかと思いますが、生活リズムの乱れにあわせて私たちの体に備わっている「体内時計」まで乱れてしまうと、睡眠の質が低下するとともに、心身の健康にまで悪影響を及ぼしてしまいます。

では、体内時計の乱れを防ぐためにはどうすればよいのでしょうか? ポイントは「光」にあります。詳しくみていきましょう。私たちの脳からは「メラトニン」というホルモンが分泌されています。時刻合わせの手段にメラトニンを使っており、夜に分泌され、「夜がきたこと」を全身に知らせます。夜がきたことを体が認識すると、体も睡眠の準備をはじめ、脈拍・体温・血圧なども低下していきます。

このメラトニンがきちんと夜に分泌されるためには、朝・昼にしっかり光を浴びておく必要があります。そして、毎朝同じ時間に起きてカーテンをあけて光を浴びることにより体内時計が調節され、朝に自然と目が覚め、夜には自然と眠くなり、そしてぐっすりと眠れることになるのです。これは、曇りや雨の日でも、屋外の光を浴びることには、効果があります(太陽の光は非常に強く、曇っていても屋内の蛍光灯の数十倍以上の強さがあります)。

 

夕方以降は光の量を調整しよう

上記でみてきたように、メラトニンは体内時計を調節し自然な睡眠を導きますが、夕方以降(眠る前数時間)の光で抑制されてしまう性質があります。睡眠の質を高めるためには、夕方以降はなるべく光の量を抑えることがポイントになります。具体的には以下のことを心がけるとよいでしょう。

✓ 夕方以降は白い蛍光灯ではなく、間接照明や白熱電球のようなオレンジ色の光を使用する。

✓ 寝る前のスマホやテレビ、パソコンの使用は控える。

(どうしても使用したい人はブルーライトカットやナイトモードにしよう)

✓ 就寝時は常夜灯を消して部屋を真っ暗にする。

 

 

夕方以降のカフェインやアルコールを控えよう

外出自粛で家にこもっていると、カフェインやアルコールの量が増加してきているのではないでしょうか。遅い時間のカフェインやアルコールは睡眠の質を悪化させることが知られています。夕方以降はカフェインの入っていない飲み物を摂ることをお勧めします。例えば、ハーブティ・麦茶・デカフェなどがおすすめです。眠る直前の飲酒(寝酒)は決してしないようにしましょう。もし夕食に合わせて晩酌をする場合でも、ビール1本(350ml缶)程度のアルコール量にとどめておくのが望ましいでしょう。

 

寝床で仕事や勉強はしない

外出自粛によって、寝床で、仕事や勉強、スマホやゲームをすることが習慣化してしまっているという話を耳にします。私たちの脳は、場所とそこでの行為を条件付けて記憶する特徴があります。したがって、脳が無意識に「寝床=仕事や勉強する場所」と認識してしまい、寝つきが悪くなり睡眠の質が悪化するリスクがあるのです。「寝床=眠る場所」と脳に認識させるため、寝床では眠ること以外は控えましょう。

 

適度に体を動かそう

家に閉じこもり体を動かさないと、肉体的疲労がないので、寝つきが悪くなり、睡眠の質が悪化する可能性があります。家でできる腕立てや腹筋、スクワット、ストレッチなどの運動や、周囲との距離に配慮しつつ近所を散歩することも有効です。オンラインフィットネスなどのプログラムもリリースされているようなので、試してみてはいかがでしょうか。

 

外出自粛が続く中、なかなか生活リズムをつかむことが難しいかもしれません。外出自粛期間に体調を崩さないためにも、上記のことを実践して、睡眠の質を高めていきましょう。

伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社での睡眠力向上セミナー アンケート結果をご紹介します

株式会社こどもみらいでは、睡眠や健康に関する講演を企業・学校向けに行っています。
伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社にて、2019年12月に4回に分けて行われた「睡眠力向上セミナー」のアンケート結果をご紹介します。

講演概要

伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社従業員有志を対象に、以下の4講演を行いました。

  • 第一回 睡眠から取り組む肩こり腰痛解消術
  • 第二回 最高の生産性を引き出す睡眠リズム
  • 第三回 眠らなければ太る?!
  • 第四回 時差ボケ対策

アンケート回答数 103件

アンケート結果

第一回 睡眠から取り組む肩こり腰痛解消術

具体的に、パフォーマンス発揮に活かしたいこと

  • 長時間座った姿勢はなるべく取らないよう業務の効率を落とさない中で工夫すること
  • 睡眠不足が疲労蓄積につながってると学び、しっかりと睡眠時間を確保しようと思いました
  • デスクワーク30分を意識すること、にストレッチで体調をチェックすること、睡眠時にクビや腰にタオルを利用することなど。
  • 適度に席を立つ時間を増やす、睡眠時間を増やす、鉄分をとる、など
  • 睡眠の前半部分だけでは筋肉等の疲れはとれないことが判ったので質の良い睡眠を十分とれるように努めます。

第二回 最高の生産性を引き出す睡眠リズム

具体的に、パフォーマンス発揮に活かしたいこと

  • 夕方以降、自宅でスマホを扱うときはブルーライトカットレンズの眼鏡をかけるようにしたいと思います。
  • 太りやすい時間帯などがわかったので間食する時間などを気を付ける。光との関係も理解できたので照明を変更する。
  • 子供が朝起きれない事に理解を深め、自然に起きれるように光を利用したいと思います。
  • 自分の睡眠リズムが判ったので、生活のパターン(予定)も自分のピークにあわせて組もうと思いました。
  • 平日の睡眠不足(就寝時間が遅い)を改善し、頭が冴える時間帯を早めるようにしたい

第三回 眠らなければ太る?!

具体的に、パフォーマンス発揮に活かしたいこと

  • 健康体を維持するために、10時間絶食を意識しようと思いました。
  • 夕方に配られるお菓子を食べない。
  • 深い睡眠に上手く入れるように、光や食事、体温をコントロールする。
  • 連続した時間の睡眠をとる。
  • 入浴後90分を過ぎた頃に寝る。睡眠中央時刻から考えて、夕方過ぎたら余り重いものを食べないようにする等。

第四回 時差ボケ対策

具体的に、パフォーマンス発揮に活かしたいこと

  • 出張は多くはないが、海外旅行などで使えると感じた。海外旅行に行く際は時差ぼけ対策を行っていたが意味がないということを認識できた
  • 睡眠だけではなく、食事を取る時間についても意識した上で時差調整を行おうと思った。
  • 短期で時差の多い外国へ行く場合の昼寝時間を必ず確保し、日本時間ベースでの食事しかとらないように気を付ける。深夜便の機内食はNG
  • 海外に行くようなことがあれば、時差ぼけ防止アプリを活用して、睡眠サイクルをうまく調整したいと思います。

講演のご相談を受け付けています

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こどもみらいでは今後も科学的根拠に基づいた睡眠および健康に関する情報の発信に努めて参ります。

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「週末の寝だめ」でパフォーマンス悪化

「週末の寝だめ」が平日のパフォーマンスを悪化させていること、ご存じでしたか?週末の寝だめ習慣、見直した方がよいかもしれません。

1月7日のコラム では、週末の寝だめが健康に悪影響を及ぼすことを説明しました。今回は、週末の寝だめの弊害についてもう少し掘り下げて、睡眠習慣をどう見直したらよいのか、紹介していきたいと思います。

平日は睡眠不足が続き、週末に寝だめをしたものの、月曜の朝から「からだがだるい」「疲れがとれていない」「調子があがらない」なんてことはありますよね。実は、この不調の原因、実は社会的時差ボケ(Social Jet Lag)にあります。社会的時差ボケ、耳慣れない言葉かもしれませんが、アメリカやヨーロッパへ旅行した時の時差ボケを思い出していただければわかりやすいかと思います。こういった海外旅行の場合は、旅行中、ぼーっとしてしまったり、倦怠感、日中のねむけ、疲労感、頭重感をおぼえたり、また帰国後も本調子に戻れなかったりしますよね。この時差ボケと同じことが、週末の寝だめによって引き起こされているのです。

 

もう少し専門的な話をしていきましょう。社会的時差ボケとは、時間生物学者のローネンバーグ教授が2006年に提唱した概念で、社会的な時間と生物時計の不一致によって生ずる不調をさします。 わたしたちの多くは、仕事や学校、家事などの社会的制約により、「仕事のある日」には目覚まし時計などで起床することで、睡眠不足となってしまいます。 一方、「仕事のない日」では蓄積した睡眠不足を解消するため、長時間の睡眠をとろうとします。 こうした平日と休日との睡眠のタイミングのズレにより、社会的時差ボケが生じてしまうのです。この週末に寝だめすることにより生じる社会的時差ボケが、翌週平日の眠気度と疲労度をアップさせることが研究で明らかにされています。オーストラリアFlinders大学のA.Taylor教授らが行った研究によると、平日の睡眠習慣を続けたグループと週末に寝だめをしたグループの翌週の眠気度と疲労度を比較した結果、「寝だめをしたグループの方が翌週の月曜日・火曜日の眠気度や疲労度が著しく高い」と結論づけられました。

また、社会的時差ボケがパフォーマンスを低下させるというエビデンスがあります。スペインのComplutense大学のF. Díaz-Moralesらが12-16歳の学生796人に対して行った研究によると、「社会的時差ボケが生じている学生は、学業成績(GPA)や認知機能が悪化する」ことが示されました。Juan F. Díaz-Morales, et al. The Journal of Biological and Medical Rhythm Research. Vol32,2015. Social jetlag, academic achievement and cognitive performance

このように、月曜の朝から「からだがだるい」「疲れがとれていない」「調子があがらない」のは、週末の寝だめに原因があるのかもしれません。では、月曜の朝を絶好調でむかえるためにはどうすればよいのでしょうか? 理想としては、平日も週末も同じ時間に起きて同じ時間に寝ることです。しかしながら、平日は仕事や勉強、家事で忙しくて睡眠不足だし、週末はゆっくり寝ていたい、そんな方も多いと思います。ここでポイントとなってくるのは、「社会的時差ボケ時間」になります。社会的時差ボケ時間は平日の眠りの中間時刻と休日の眠りの中間時刻の差で計算されます。具体的にみていきましょう。

以下の図1をご覧ください。

図1

平日は0時に寝て6時に起きているので、平日の眠りの中間時刻は3時になります。一方、休日2時に寝て12時に起きているので、休日の眠りの中間時刻は7時になります。よって、社会的時差ボケ時間は4時間となります。これはインドやパキスタンに旅行した時の時差になります。休日のたびにインドやパキスタンに旅行したのと同じことが起こってしまっているのです。時差は少ない方がいいですよね。上記の例でいうと、休日2時に寝て12時起きていたのを0時に寝て8時に起きるように改めれば、休日の眠りの中間時刻は7時から4時になり、社会的時差ボケ時間は1時間に短縮されます。このようにすれば、時差ボケをある程度、防止することができます。また、週末に2-3時間朝寝坊をしているならば、その睡眠時間を20-30分ずつ平日に割り振るのも有効でしょう。さらに、社会的時差ボケ時間を計算してみて、睡眠不足を早寝で補うことも考えてもよいかもしれません。

そうはいっても、通勤通学時間が長い、残業や補講があるなどの理由で、平日は慢性的な睡眠不足、その不足分を週末たっぷり補いたいという方もいらっしゃるかと思います。まずは、社会的時差ボケ時間を意識して、20分30分でも短縮することから始めてみてはいかがでしょうか。睡眠計画を見直して、月曜の朝を絶好調でむかえましょう!

 

埼玉県南部高等学校等保健主事・養護教諭合同研修会の講演アンケートより

株式会社こどもみらいでは、睡眠や健康に関する講演を企業・学校向けに行っています。
埼玉県南部高等学校等保健主事・養護教諭合同研修会で行われた睡眠に関する講演・ワークショップのアンケートでいただいたご感想を一部ご紹介します。

講演について

・カフェインの話や、睡眠の条件付けの話など、生徒にすぐ話せるような話題をたくさんいただきとても勉強になりました。保健室に来室する生徒の中には睡眠が原因で体調不良の状態になり、作業のパフォーマンスが落ちている生徒がいます。日本の高校生の睡眠時間が世界的にみてもとても少ないことを知り、そのような状況の中でも生徒は毎日登校し、勉強に部活に頑張っていることを思うと、少しでも何か手助けやアドバイスできるよう頑張りたいと思います。

・睡眠が大切なことを改めて感じました。特に熟睡できないと「うつ」など心にも影響を与えることは驚きました。また、睡眠の大切な3要素「量・質・リズム」についてわかりやすく説明していただきました。睡眠に問題を抱えている生徒が多いので今回の研修内容はすぐに役立つ内容で有意義なものでした。

睡眠が及ぼす影響が、体調や生活習慣だけでなく退学、自殺にまで関係すると知り、またそのことを数値であらわしていただき、とても分かりやすく勉強になりました。生徒、自分、家族、職場の教員。いろいろな人が頭に浮かびました。また、面談の仕方についてもわかっているようでわかっていなかったこと。あらためて再認識できたことがとても良かったです。がんばろうって力になりました。

・自分がなんで早く起きるのか。仕事の責任の気がしていたが、老化と知り新たな発見でした。子どもの朝の不機嫌の意味も分かりました。夜中に寝て、昼近く起きることがだらしないと思っていましたが、パターンの違いなのだとわかりました。自分の考えでパターンを変えるのは支障のない事なのでしょうか。

・科学的で大変わかりやすいご講義でした。カフェインが睡眠に影響があることは知っていましたが、具体的な影響を与える量やカフェインの半減期などは知りませんでした。また、中・高校生の時期は夜型になることも初めて知りました。

・本校の生徒の例を見ているような講演内容でとても参考になりました。遅刻する生徒、欠席の多い生徒がいるので、学校全体や学年で今日のような講演の高校生版があれば行っていただきたいと思いました。

 

ワークショップについて

・子どもとの信頼関係づくりのもと、できることを探りながら、本人の負担の少ない方法を、一緒に考えていくことの大切さを感じました。

・先生の保健指導のお手本も素晴らしかったです。生徒の生活内容を否定するのではなく、時間の使い方をデザインするやり方、とても参考になりました。

・ワークショップは実際の面接技法をデモンストレーションしていただき、実際の現場でイメージしやすくとても良かったです。

・ワークショップでは、他校の様子や課題等を共有でき、大変有意義なものになった。

一緒に考えていくことで何か光が見えてくることがあると、体験してわかった。

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株式会社こどもみらいについて

株式会社こどもみらい( https://cfltd.co.jp/ )は、科学的根拠 に基づいた健康経営を推進するプロフェッショナルチームで す。睡眠と健康に関する研究「Sleep & Health Research」、睡眠 改善プログラム「eSLEEP」、多⾯的なストレス対策の要となる ストレスチェック「STRESCOPE」などを提供しています。

eSLEEPについて

eSLEEP( https://esleep.jp/ )は、株式会社こどもみらいが2012年から睡眠研究医主導のもと、医師・心理士・保健師を中心として提供している睡眠改善プログラムです。組織単位で睡眠と生活習慣の問題を医学的に評価・分析し、睡眠コンサルティングと個別指導による改善を通して、メンタルヘルス疾患・身体疾患の予防および生産性の向上を図ります。2015年には教育現場における出席率の向上や退学予防効果も明らかにしました。

STRESCOPE について

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第66回日本学校保健学会で、高校生の睡眠に関する調査結果と、こどもみらいが提供する睡眠指導プログラムの効果について発表しました

~高校生の半数が睡眠に問題・登校意欲や欠席率に影響~

2019年11月29日から3日間、代々木オリンピックセンターで開催された「第66回日本学校保健学会」において、日本ではあまり類例を見ない高校生を対象とする睡眠の実態調査および睡眠改善プログラム「eSLEEP」の効果についての発表が行われました。

今回発表された研究は、2017年から2018年にかけて、7つの高校・3305名の生徒を対象とした睡眠に関する実態調査と、この中から平均して週に1回以上の欠席を行い、かつ学術的利用や発表に同意した224名を対象とした睡眠指導プログラム「eSLEEP achademic」の効果を検証したものです。

 

今回の調査によって、高校生のおよそ半数が睡眠に関する問題を抱えていること、また、睡眠の問題は、通学意欲の低下や欠席率の悪化と関係することが示されました。

また、睡眠の問題がある生徒に対し睡眠指導プログラム「eSLEEP achademic」を適用した効果について、プログラムを受けたグループと受けなかったグループを比較すると、プログラムを受けたグループでは睡眠の質(PSQI*)、生産性指数(SPS*)、退学率の有意な改善が見られ、そして欠席率はプログラム実施前の21.82%から9.85%へと大幅な改善が見られました。

 

中高生の睡眠の問題は不登校や退学の一因と考えられていますが、今回の研究は、適切な睡眠指導は実際に欠席率を改善することや、不登校や退学に効果がある可能性を示しています。

この研究結果は、株式会社こどもみらいが提供する「eSLEEP」および「eSLEEP achademic」のサービス・製品開発に活かされています。

 

株式会社こどもみらいでは今後も、「科学的根拠のある健康経営」を支援するための活動を進め、ストレスチェック「STRESCOPE」や睡眠改善プログラム「eSLEEP」などのサービス改善に努めて参ります。

 

学会発表概要

第66回日本学校保健学会

発表日:2019年11月30日(土) 

発表者:志村哲祥

演題名:

O30p-G-02 多施設共同研究:高等学校における睡眠の実態の調査

O30p-G-03 多施設共同研究:高等学校における睡眠と欠席・通学意欲との関連の分析

O30p-G-04 構造化された睡眠衛生指導は学生の退学を予防する:多施設ランダム化比較試験

 

株式会社こどもみらいについて

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eSLEEPについて

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STRESCOPE について

STRESCOPE( https://strescope.jp )は、株式会社こどもみらいが提供する、医学的根拠に基づいた具体的な提案によりストレス改善を目指すためのストレスチェックサービスです。厚労省所定の項目に独自の項目を加えてストレス要因を特定し、個人向けに生活習慣の観点も含めた具体的な改善提案を行うほか、集団分析により企業が取り組むべき事項を明らかにするなど、健康経営のための投資対効果にこだわり、精神科医・産業保健師を含むプロフェッショナルチームにより運営されています。

 

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「週末の寝だめ」が健康に悪影響!?

平日は仕事や学校が忙しくて睡眠不足が続き、週末に寝だめをして睡眠不足を解消している、なんて方は多いですよね。土曜の朝寝坊を楽しみに一週間がんばれるって方も中にはいらっしゃるでしょう。

その睡眠習慣、見直した方がよいかもしれません。

 

毎日の睡眠不足が借金のように積み重なっていくことを「睡眠負債」といいますが、平日の睡眠不足でたまった睡眠負債を週末の寝だめで返済できていると考えている方もいらっしゃるかと思います。しかしながら、これには大きな誤りが潜んでいます。実際、週末の寝だめで睡眠負債が帳消しになるわけではありません。そればかりか体に悪影響が及んでいるのです。

 

例えば、週末に寝だめをすると、太りやすくなりインスリン感受性が低下することが明らかになっています。インスリン感受性が低下すると、筋肉や脂肪組織の糖取り込み能も低下し、血糖値が下がりづらくなり、2型糖尿病になるリスクが高まります。これは、米コロラド大学ボルダー校の睡眠・時間生物学研究所等が行った研究で明らかになっており、当該研究は、健康な成人男女36人を以下の3つのグループに分け9泊させ、体重増加やインスリン感受性等を評価することを目的としたものです。

第1グループ:9日間ともに1日9時間寝ることが許されているグループ

第2グループ:9日間ともに1日5時間に睡眠が制限されているグループ

第3グループ:平日の5日間は5時間に制限、週末の2日間は制限なし、残りの2日間は再び5時間に制限されているグループ

結果として、第2グループおよび第3グループでは、睡眠不足により食後のエネルギー摂取量と体重が増加しました。また、第2グループでは全身インスリン感受性は13%低下し、第3グループでは全身のみならず肝臓、筋肉のインスリン感受性が9-27%もの低下を示しました。

Depner CM, et al. Curr Biol. 2019 Feb 11.

 

また、週末に寝だめをすると、生理が重くなるという研究結果があります。明治薬科大学の駒田准教授を中心とする研究チームが女子学生100名を対象に行った研究によると、休日に寝だめを1時間以上すると、月経症状が重くなる可能性があることが示唆されています。具体的には、生理の痛みが増し、むくみやすくなるというものです。

Komada Y ,et al.Chronobiol Int. 2019 Feb;36(2):258-264

 

このように、「週末の寝だめ」は健康に悪影響を及ぼす可能性があるのです。次回のコラムでは寝だめについてもう少し掘り下げて、寝だめによって生じるソーシャルジェットラグ(社会的時差ボケ)について取り上げ、それを防止するための手立てについてお話していきたいと思います。

「生産性向上」のために睡眠改革を

「働き方改革」が国家として大きく推進され、従業員の「生産性向上」が会社にとって重要な課題として認知されるようになりました。働き方改革の一環として、残業を削減し、有給休暇の取得しやすい環境を整え、生産性向上に向けた取り組みをしている会社も多いのではないでしょうか?

「人事労務制度を再構築し、IT投資もしたのに、、、生産性が向上していないのではないか」と、お悩みの会社も中にはあるかと思います。そのような会社は従業員の睡眠をチェックしてみてはどうでしょうか?実は、生産性向上には従業員の「睡眠」がカギになるのです。

 

「プレゼンティズム(Presenteeism)」という言葉を一度は耳にしたことはあるでしょう。プレゼンティズムとは「出勤しているにも関わらず、心身の健康上の問題により、充分にパフォーマンスが上がらない状態」を意味します。一方、「欠勤や休職、あるいは遅刻早退など、職場にいることができず、業務に就けない状態」を「アブセンティズム(absenteeism)」といいます。

アブセンティズムにより生産性が低下するのは容易に想像がつくと思いますが、実は、アブセンティズムよりプレゼンティズムの方が、生産性低下が大きく企業の業績に悪影響を与えているのです。これは、アメリカのある金融機関の従業員を対象に実施した研究においても明らかになっています。図1のグラフをみるとわかるように、従業員の健康関連コストとして、割合が一番大きいのはプレゼンティズムであり、アブセンティズムや直接費用である医療費・薬剤費を大幅に上回っています(図1)。

 

図1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出典:Dee W.Edington and Wayne N.Burton(2003)

これはアメリカだけの問題ではなく日本にも当てはまります。図2のように、従業員の健康関連コストにおいて、プレゼンティズムの方がアブセンティズムより大きいのは、日本の同様です。当該調査は、日本における3企業3429件について実施され、1人あたり年間健康関連コスト(平均値)の中で、医療費が11万円・アブセンティズム3万円だったのに対して、プレゼンティズムは56万円と78%もの割合を占めることが明らかになっています(図2)。

 

図2

 

 

 

 

 

 

 

 

出典:平成29年7月厚生労働省保険局コラボヘルスガイドライン P35

 

では、プレゼンティズムによる生産性低下による損失を防止するにはどうしたらよいのでしょうか?

意外かもしれませんが、従業員の「睡眠」がカギを握っているのです。これには医学的なエビデンスがあります。

弊社(株式会社こどもみらい(本社:東京都世田谷区))のデータを元に東京医科大学精神医学分野の古市亘医師らが実施した研究によると、ストレスチェックで測定される「仕事のストレス」と「周囲のサポート」の問題は、睡眠の問題や心身のストレス反応を引き起こし、それを介して生産性を低下させていることが示されました。さらには、睡眠の問題の方が、仕事のストレスや周囲にサポートよりも、生産性に与える影響が大きいことが示されました。

 

上記の研究により、会社は、従業員のストレスケアを行うと同時に睡眠の問題を評価し解決することが、生産性低下による損失を防止することが明らかになったのです。すなわち、従業員の睡眠問題に取り組むことが、従業員にパフォーマンスを発揮させ、ひいては企業価値の増加に資するのです。また、従業員の睡眠問題に取り組むことは、当然ながら従業員の健康を守ることにもつながります。

 

それでは、会社として従業員の睡眠問題にどのように取り組めばよいのでしょうか?まずは、組織のストレスや生産性に睡眠が与えている影響を分析することがポイントとなってきます。そのうえで、最適な施策を決定し実施していく必要があります。

会社が睡眠問題に取り組んだ具体的事例としては、睡眠計測アプリを使用して従業員に対する睡眠改善のコンサルティングの実施や、一人ひとりにあった睡眠の質を高めるためのプログラムの導入などが挙げられます。また、従業員の睡眠時間を可視化し6時間以上眠った従業員に報酬を与える制度を導入したユニークな企業もあります。このように働き方改革の一環として睡眠の重要性を認識し睡眠問題に取り組んでいる会社が増えてきています。

弊社(株式会社こどもみらい(本社:東京都世田谷区))においても、睡眠専門医監修の現状分析・睡眠改善プログラム「eSLEEP」のサービスを提供しておりますので、お気軽にお問合せください。